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麻炭で薫る癒しのお香 × 新社会人|誰にも会いたくない夜に、煙だけがそばにいる

24. apr. 2025

月曜、21時。

帰りの電車では座れなかった。

靴擦れした左足をかばいながら立っていると、吊り革を持つ手が少し震えているのがわかった。

田辺 芽衣(たなべ めい)、新社会人の22歳。

今日は、誰にも会いたくなかった。

会社のグループチャットには返信せず、駅前のコンビニでカット野菜と缶チューハイを買った。

いつもより暗い色の缶を選んだのは、気分が沈んでいたからかもしれないし、なんとなく、だったのかもしれない。

部屋に着いて、スーツのまま棚の前に立つ。

靴を脱ぐより先に手に取ったのは、小さな黒い円筒。

──麻炭のお香。

ライターを近づけると、じゅっという音とともに火が走り、そこからゆっくりと煙が立ち上った。

意識していなかった呼吸が、自然と少し深くなる。

スモーキー。

でもとがってない。

甘くもないし、派手でもない。

だけど、じんわりと空間の“角”が丸くなっていくような香り。

芽衣は椅子に腰を下ろし、視線の先で煙がカーテンの影に揺れるのを見つめた。

スマホが震えたけれど、取らなかった。

通知に応えるより、煙の揺らぎを見ていたほうが、今日は大事な気がした。

煙は、部屋の空気のかたちを見せてくれる。

「ちゃんとここにいるよ」と教えてくれるみたいに。

わたしが、この空間で息をしているということを。

芽衣は思う。

別に、毎日がんばらなくてもいい。

誰とも話したくない夜があっても、それでいい。

でも、「自分とさえもうまくいかない」って思う夜には、言葉も指示もくれない“煙”がそばにいてくれたら、それだけで違う。

香りで癒すとか、整えるとか、そういうことじゃない。

ただいてくれるだけの存在。

麻炭の香りは、芽衣にとって、そういう存在になっていた。

火が消える直前、「ぱちっ」と小さな音が鳴る。

それが夜の終わりの合図みたいで、芽衣はその音が好きだった。

誰とも話したくない夜に。煙は、そっとそばにいてくれる。
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▼ 新社会人、田辺 芽衣の「京都麻の葉 物語帖」
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