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柚子精油 × キャバクラ嬢|柚子の一滴でスイッチを入れる

24. apr 2025

指先で小瓶の蓋を回すと、ふわっと香りが立った。

──酸っぱくて、少し甘い。

そして、透明。

桜 葉乃(さくら はの)、29歳。

歌舞伎町のキャバクラ「凛」でNo.2を張って6年目。

昼の時間はできるだけ、誰にも見られずに過ごす。

音を立てず、感情を外に出さず、静かに次の“顔”を仕込んでいく。

鏡の前に置いたのは、京都麻の葉の柚子精油。

いつからか、出勤前にひと滴だけコットンに垂らすのが習慣になっていた。

香水じゃない。

でもこの香りがないと、夜になれない。

鼻先をくすぐるように漂う柚子の精油は、 あの子のように明るくもないし、 お客さんが褒めてくれるような色気も持たない。

でも、葉乃にとっては一番“素肌のままでまとえるスイッチ”だった。

シャワーのあと、髪を乾かしながら、 部屋に流れるこの香りに、気持ちが“夜用”に切り替わっていく。

人に合わせて笑うのは嫌いじゃない。

でも、夜の街の“顔で話すルール”には、少しだけ疲れてしまう日もある。

そんなとき、香りは嘘をつかない。

「今日も行けるな」って思えるかどうかは、 この香りが、どう肌に落ちてくるかで決まる。

たまに、お客さんにもわかる人がいる。

「その香り、何? 香水じゃないよね?」

「…バレた?」と笑って返すけど、 ほんとはちょっと、うれしい。

香りって、音より、目より、記憶に近い。

心にふれて、残る。

それが“自分で決めた香り”なら、 きっと夜だって、自分で決めて入っていける。

葉乃は、精油の瓶をカチッと閉めて立ち上がる。

ミラー越しの自分に言う。

「よし、いこっか」

香水じゃない。わたしの夜を連れてくる香り。
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