夜の森は、思ったよりも暗かった。
高梨 隼人(たかなし はやと)、29歳。
日々、数字に追われるデイトレーダー。
週末だけは、すべてを断ち切るために、
郊外のキャンプ場で、ひとり、テントを張るようになった。
焚き火も、スマホもない夜。
ただ、静かな空気と、月明かり。
──そんな夜の相棒が、京都麻の葉の「麻炭お香」。
小さなコーン型のお香に火をつける。
ふっと、黒い炭の煙が立ちのぼる。
鼻腔をくすぐる、焦げた香りと微かな甘さ。
焚き火を囲むわけでもない。
話し相手がいるわけでもない。
それでも、煙は隼人の心を、ゆっくりとほどいていく。
市場のノイズも、SNSのざわめきも、今は届かない。
ただ、自分の呼吸と、揺れる煙だけがここにある。
隼人は、寝袋にくるまり、星空をぼんやり見上げた。
明日の相場も、未来も、今はどうでもいい。
夜の静けさが、すべてをリセットしてくれる。
ひとりの夜に、静かに灯す。
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